表大雪13

最終回です。

先程、ナキウサギのところで出会った女性。

山頂付近で私たちを追い抜いていった人だったのですが、

そのときすでに、黒岳の何か関係者かな?と思ったのです。

なぜなら

まず長靴を履いている。

以前、出会った植物調査の人も長靴をはいていて、これが一番登山道や植生を傷めないのでいい、と言っていた。

次に登山服とデイパック。

使い込んでる感と少ない荷物。わざわざ遠くから登りに来ている感じじゃなかった。

そして、歩くのが異様に速い。

これが決定的。ナキウサギがいなくなるや否や、飛ぶように下る後姿を見送ったのでした。

28:300:225:0:0:黒岳バイオトイレ:left:0:0:黒岳石室の裏の「バイオトイレ」。4年前から設置されています。:


石室に到着すると、案の定その女性が働いていました。

めちゃめちゃ重そうな袋を、小屋の裏に運んでいます。バイオトイレのオカクズを交換していたのです。

山を愛するこういう人達のおかげで、快適な登山ができるのだなと、頭が下がる思いでした。

北海道に移り住んで、山にはまるきっかけとなった「表大雪」。

入り口は広く、しかも深い。

他の山にも足をのばしながら、今後もお世話になることでしょう。

いつまでもこの素晴らしさを保ってくれよと願いつつ、層雲峡を後にして、われらのニセコの山々のふもとへ帰ったのでありました。

おしまい


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