最終回です。
先程、ナキウサギのところで出会った女性。
山頂付近で私たちを追い抜いていった人だったのですが、
そのときすでに、黒岳の何か関係者かな?と思ったのです。
なぜなら
まず長靴を履いている。
以前、出会った植物調査の人も長靴をはいていて、これが一番登山道や植生を傷めないのでいい、と言っていた。
次に登山服とデイパック。
使い込んでる感と少ない荷物。わざわざ遠くから登りに来ている感じじゃなかった。
そして、歩くのが異様に速い。
これが決定的。ナキウサギがいなくなるや否や、飛ぶように下る後姿を見送ったのでした。
石室に到着すると、案の定その女性が働いていました。
めちゃめちゃ重そうな袋を、小屋の裏に運んでいます。バイオトイレのオカクズを交換していたのです。
山を愛するこういう人達のおかげで、快適な登山ができるのだなと、頭が下がる思いでした。
北海道に移り住んで、山にはまるきっかけとなった「表大雪」。
入り口は広く、しかも深い。
他の山にも足をのばしながら、今後もお世話になることでしょう。
いつまでもこの素晴らしさを保ってくれよと願いつつ、層雲峡を後にして、われらのニセコの山々のふもとへ帰ったのでありました。
おしまい